クレメンティア
税理士事務所
法人税の申告所得・税額が過去最高に:黒字化が進む企業、問われる次の一手
国税庁が発表した令和6事務年度の法人税等の申告事績において、申告件数・申告所得・申告税額のいずれもが過去最高を更新。黒字申告割合も上昇傾向にあり、中小企業経営者にとっては「好調の中で次にどう備えるか」が問われる局面です。本記事では、統計の背景や経営への示唆を専門家視点で解説します。
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## 法人税の申告データから読み取れる日本企業の現状
国税庁によると、令和6事務年度の法人税申告件数は322万件、申告所得は102.3兆円(前年比4.1%増)、申告税額は18.7兆円(同7.6%増)と、いずれも過去最高を記録しました。これにより黒字申告割合も36.5%と、じわりと上昇。黒字企業の増加は、景気回復の表れでもあり、実態として「稼げる企業」が着実に増えていることを示しています。
また、通算法人(グループ連結納税のようなもの)の黒字割合は56.0%と高水準。大企業だけでなく、中堅・中小のグループ企業も収益力を高めている様子が見て取れます。
## ただし手放しでは喜べない背景も
一方で、申告欠損金額(過去の赤字の繰越控除対象となる金額)は17.4兆円(前年比12.2%増)と、依然として巨額です。これは、「今は黒字でも、過去の赤字が大きく、実効税負担が軽い企業が多い」という実態を示唆します。
また、源泉所得税全体は前年比4.6%減。特に給与所得に関しては、定額減税の影響もあり減少しています。つまり、企業収益は上がっているが、労働分配には慎重という傾向が浮かび上がります。
## 中小企業経営者が今考えるべき3つの視点
このデータから、中小企業の経営者が取るべきアクションは次の3つです。
### ① 黒字化を“定着”させる仕組みづくり
一時的な黒字に満足せず、財務管理の強化、事業ポートフォリオの見直し、収益の安定化戦略が必要です。利益が出ている今こそ、無駄なコストや“勘定合って銭足らず”の状態に注意を。
### ② 将来への“税金戦略”を練る
繰越欠損金がなくなった後に、税負担が急増するリスクがあります。設備投資、退職金準備、事業承継対策など「利益を活かす使い方」を専門家と一緒に検討しておきたいところです。
### ③ DX・e-Tax対応の整備は必須
ALL e-Taxの利用率は67.7%と、すでに大多数の法人がデジタル申告に移行しています。ペーパーワークからの脱却は業務効率だけでなく、金融機関や税務署からの信頼にも直結します。
## 終わりに
数字として見れば、企業業績は堅調に推移していることが分かります。しかし、見方を変えれば“黒字になった企業”がこれから何をするかで、持続的な成長が決まる局面に来ています。
「黒字化」の次に、「未来への布石」をどう打つか。今こそ、経営者としてのビジョンと判断力が試されるタイミングです。
――経営×税務×お金の専門家として、こうした節目での意思決定を全力で応援しています。
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