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税理士事務所

2026年1月から要注意|退職金の実務が変わる「退職所得の受給に関する申告書」改正ポイント

中小企業の経営者・経理担当者の皆さまへ。
2026年1月から、退職金支給時に扱う「退職所得の受給に関する申告書」が改正されました。
一見すると様式変更に見えますが、実はその背景には「退職所得課税のルール変更」があります。
今回は、現場実務で押さえておくべきポイントを、経営者目線で整理します。
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■ 退職金支給時の税務は「会社の責任」
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従業員に退職金を支給する場合、会社は原則として、
・所得税
・住民税(特別徴収)
を**支払時に源泉徴収**し、原則、**翌月10日までに納付**する義務があります。
この税額計算において重要なのが、
「退職所得の受給に関する申告書(退職所得申告書)」です。
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■ 退職所得の受給に関する申告書とは?
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正式名称は
「退職所得の受給に関する申告書 兼 退職所得申告書」。
この1枚で、
・税務署向け
・市町村向け
双方の届出を兼ねる仕組みになっています。
会社側の実務ポイントとしては、
・退職者から**支給日までに提出を受ける**
・提出を受けた申告書は**一定期間保存**
・税務署等から求められた場合は**提出義務あり**
という点を忘れてはいけません。
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■ 2026年1月から何が変わったのか?
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今回の様式改正は、単なる書式変更ではありません。
**退職所得に関する課税ルールの見直し**が背景にあります。
ポイントは次のとおりです。
【① 複数の退職金を受け取る場合の調整】
一定期間内に複数の退職金を受給している場合、
勤続期間が重複している部分は調整され、
退職所得控除の「二重取り」を防ぐ仕組みが強化されています。
【② 「4年ルール」から「9年ルール」へ】
従来、対象期間は
「退職金を受け取る年の前年以前4年内」
とされていました。
しかし、
・老齢一時金(確定拠出年金の一時金)を受給
・その後、別の退職金を受給
というケースでは、
この期間が **9年内** に拡大されました。
※この改正は
**2026年1月1日以後に老齢一時金を受け取った場合**に適用されます。
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■ 経営者が注意すべき実務上の影響
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今回の改正で、会社側が注意すべき点は次の3つです。
① 旧様式のまま処理しない
→ 2026年1月以後の退職金は新様式が前提です。
② 退職者の申告内容チェックがより重要に
→ 過去の退職金・老齢一時金の有無で税額が変わります。
③ 源泉徴収票の提出範囲拡大
→ 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票は
 「居住者すべて」が提出対象に拡大されています。
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■ まとめ|「退職金」は税務リスクが出やすい分野
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退職金は金額が大きくなりやすく、
一度ミスがあると、
・追徴課税
・税務調査での指摘
・元従業員とのトラブル
につながりやすい分野です。
「様式が変わっただけ」と軽く見ず、
**2026年を境に、社内の退職金実務を一度点検する**ことをおすすめします。
不安がある場合は、
顧問税理士や専門家に早めに確認しておくことが、
結果的に一番コストを抑える対応になります。

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