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税理士事務所
中小企業への「歩引き」や「手数料」はもう通用しない?取引適正化法から読み解く「減額NG」の本質
「うちは昔からこのやり方だから」と思っていても、それが法令違反になり得る時代です。
特に中小企業にとって深刻な問題となり得る「発注後の減額」。
今回は2023年12月に公表された「取引適正化法 Q&A」の中でも重要なポイントを、中小企業経営者の皆様に向けて解説します。
### 慣行でも「ダメなものはダメ」──歩引き・手数料の減額は禁止
中小企業庁が公表した「取引適正化法Q&A」では、「発注後の代金減額」は原則NGと明言されました。
たとえば業界慣行として、発注金額から「歩引き5%」「振込手数料」「センターフィー」などを差し引いて支払うケース。
これらは**たとえ事前に書面合意していても**、法律違反となる可能性があるのです。
### 「ボリュームディスカウント」は例外的にOK──でも厳格な条件あり
唯一、正当な減額とされるのが「ボリュームディスカウント」。
しかしこれも以下のような**厳しい条件**が必要です:
- 品目を特定し、数量増とコスト低減が合理的に説明できる
- 書面での合意が明確に存在する
- 割戻金が発注者の利益を損なわない構造になっている
つまり、単なる「発注額が増えたから5%引き」というだけでは認められません。
### 単価改定の「遡及適用」は基本NG
さらに注意すべきは単価交渉です。
改定単価の**「遡り適用」**は、過去の発注分に対して減額となるため、原則として禁止されています。
「4月から単価下げます」と7月に合意して、4月納品分にも新単価を適用した場合、これも違反行為になります。
### 中小企業側も「了承したからOK」は通用しない
「了承しているから問題ない」と考えがちですが、それも通用しません。
たとえば、振込手数料を「うちで持ちます」と中小事業者が了承していたとしても、
その分を差し引いて支払うのは、**法律上の違反**になるのです。
### 経営者に求められる「取引の透明化」と「仕組みの整備」
経営者として今すぐに取り組むべきは以下の3点です:
1. **取引条件の明文化**
金額・納品・割戻し条件などを契約書や発注書で明確にすること。
2. **業界慣行の見直し**
「今までそうだったから」という思考を脱却し、法令に則った運用へシフト。
3. **社内研修と仕組み整備**
営業・経理部門への教育と、契約・請求のプロセスを法対応に見直すこと。
【まとめ】
時代は「なあなあの取引」から、「透明な関係性」へとシフトしています。
特に中小企業こそ、こうしたリスクを未然に防ぐ「仕組みとルール」が経営の安定と信頼につながります。
「減額してはいけない理由」を理解し、堂々と正しい取引を貫くこと。
これこそが、これからの中小企業経営者に求められるリーダーシップではないでしょうか。
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