クレメンティア
税理士事務所
【2026年経審改正】建設会社の経営者が押さえるべき3つの変更点と今後の対応策
令和8年7月1日から経審が変わりました
建設業にとって「経営事項審査(経審)」は、公共工事の受注を左右する重要な制度です。
2026年(令和8年)7月1日から経審の審査基準が改正されました。今回の改正は単なる加点項目の見直しではなく、「人材を大切にする企業」と「災害対応力のある企業」をより評価する方向へ制度が変わったことが大きな特徴です。
今回は、中小建設会社の経営者が押さえておきたいポイントを、経営の視点から解説します。
---
## 改正ポイント① 「技能者を大切にする企業」が評価される時代へ
今回の改正で最も注目したいのが、新たに追加された**「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」**です。
自主宣言を行い、一定の要件を満たすことで5点の加点を受けられるようになりました。
背景には、
* 建設技能者の高齢化
* 人材不足の深刻化
* 若手人材の確保
といった建設業界全体の課題があります。
つまり国は、
「人を大切にする会社を評価する」
という姿勢を明確に打ち出したといえます。
一方で、CCUS(建設キャリアアップシステム)への対応状況に関する評価点は見直され、一部減点となるため、従来どおりの対応だけでは点数を維持できないケースも考えられます。
---
## 改正ポイント② 災害対応に必要な建設機械が加点対象に
建設機械の評価では、
* 不整地運搬車
* アスファルト・フィニッシャ
が新たに加点対象となりました。
近年は自然災害が頻発しており、災害復旧を担う建設会社への期待はますます高まっています。
国としても、
「災害時に地域を守れる企業」
を適正に評価したいという考えが読み取れます。
対象機械を保有している企業は、売買契約書やリース契約書、点検記録など必要書類を忘れず準備しておきましょう。
---
## 改正ポイント③ 社会保険の評価項目は廃止
これまで経審では、
* 雇用保険
* 健康保険
* 厚生年金保険
への加入状況が評価対象となっていました。
しかし現在では、社会保険加入そのものが建設業許可の要件となっているため、経審で重ねて評価する必要がなくなりました。
その結果、
* 評価項目の削除
* 領収書など提出資料の削減
* 手続きの簡素化
が実現しています。
事務負担が軽減される点は、多くの建設会社にとってメリットといえるでしょう。
---
## 経営者として注目したい本当のポイント
今回の改正は、単なる加点制度の変更ではありません。
経審は今後、
「企業規模」よりも「企業の質」
を評価する制度へ少しずつ変化しています。
例えば、
* 人材育成への取り組み
* 技能者を尊重する姿勢
* 災害対応力
* 持続可能な経営
こうした要素が、公共工事を受注できる企業かどうかの判断材料になってきています。
つまり経審対策は、点数対策ではなく経営改善そのものと言える時代になってきました。
---
## 税理士として感じること
私は税理士として多くの中小企業を支援していますが、経営において最も重要なのは「制度を知ってから動く」のではなく、「制度の方向性を理解して先に準備すること」だと考えています。
今回の経審改正から見えてくるのは、
「人への投資を行う会社」
「地域社会に貢献できる会社」
が今後ますます評価されるというメッセージです。
経審の点数だけを見るのではなく、自社の経営方針や人材戦略を見直すきっかけとして今回の改正を活用していただきたいと思います。
---
## まとめ
2026年7月の経審改正では、次の3点が大きな変更点となりました。
* 建設技能者を大切にする企業への新たな加点
* 災害対応に役立つ建設機械の評価対象追加
* 社会保険評価項目の廃止による申請手続きの簡素化
制度は毎年少しずつ変化しています。
「知らなかった」で点数を落とすことがないよう、最新情報を確認しながら、自社に必要な対応を早めに進めていきましょう。
経審は単なる審査ではなく、自社の経営品質を見直す絶好の機会でもあります。
Instagram
インスタグラム
Related
関連記事
-
2023.07.29法人様をサポート | 大阪市の税理士ならクレメンティア税理士事務所
-
2025.11.18宗教法人が土地の寄附を受けるときに注意すべき「措法40条」──知らないと“寄附者”に課税リスク
-
2025.12.17大阪市の法人が「銀行格付けを知らずに財務悪化」した失敗パターン
-
2025.12.13国税庁が「AI活用の税務調査」を初公表――宗教法人がいま押さえるべき“見られ方”と実務対策
-
2025.12.13大阪市での法人税の中間申告と税務への影響
-
2025.12.12大阪市の宗教法人が知っておきたい収益事業別の課税ポイント一覧
-
2025.12.08「法人住民税」と「法人事業税」の違いと計算方法
-
2025.12.05宗教法人にも影響する「税務調査手続きの法令化」―帳簿の提示・提出義務とその留意点
-
2025.12.04宗教法人が大阪市でクラウドファンディングを活用する際の税務知識
-
2025.09.202025年税制改正、大阪市の税理士が解説する宗教法人への影響とは
-
2025.10.09大阪市内の法人が税務署から「役員貸付金の処理ミス」で指摘された件
-
2025.09.192. 源泉所得税の基礎知識と宗教法人の義務
-
2025.09.3010. 宗教法人の印紙税・電子納税(e-Tax)と令和の税務効率化
-
2025.10.12税理士が見る大阪市宗教法人のガバナンス改革と収益事業の関係性
-
2025.10.01宗教法人の「収益」と「非収益」の境界線|大阪市の事例から学ぶ判断基準
-
2025.10.02決算前にやるべきこととは?大阪市法人の税務と経営の連携ポイント
-
2025.10.02宗教法人を“買いたい”? “売りたい”? その言葉に潜む危険と、住職として守るべきもの
-
2025.10.02宗教法人を“買いたい”? “売りたい”? その言葉に潜む危険と、住職として守るべきもの
-
2025.10.28税理士が支援する大阪市の法人向け「利益計画」とは?
-
2025.11.30税務調査に強い法人経営とは?大阪市の税理士が教える事前対策
-
2023.08.09法人成りのタイミングとは|大阪市の税理士ならクレメンティア税理士事務所
-
2025.10.07大阪市で税務と経営両面から法人を支える顧問税理士の選び方
-
2025.09.27大阪市で税理士と一緒に取り組む法人の節税とキャッシュフロー改善
-
2025.11.10法人の設備投資を行う際に税理士へ相談すべきポイント
-
2026.08.11無利息でお金を貸しても大丈夫?宗教法人から公益法人への貸付けを税理士が解説
-
2025.09.11大阪市の法人が税理士に「税務+経営相談」を一括で依頼するメリット