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税理士事務所

【令和8年度税制改正】関連者間取引の書類保存義務が強化!青色申告取消しリスクと経営者が今すべきこと

 「書類がない」だけで青色申告が取り消される?
令和8年度税制改正で新たに創設された「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」が、中小企業経営者にとって見逃せないテーマとなっています。
「書類を保存していなかっただけで青色申告が取り消されるのか?」
そんな不安を抱かれた方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、税務調査で書類が見当たらないという理由だけで、直ちに青色申告の承認が取り消される運用にはならない方向とされています。しかし、だからといって安心してよいわけではありません。
今回は、この制度のポイントと経営者が押さえておくべき実務対応について解説します。
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## 関連者間取引とは?
今回の制度の対象となるのは、一定の支配関係にある法人同士の取引です。
例えば、
* 親会社と子会社
* グループ会社間
* 支配関係のある法人同士
で行われる、
* 特許など知的財産の譲渡・貸付
* 役務提供(業務委託など)
といった取引が対象になります。
契約書や請求書だけでは取引内容や対価の根拠が十分に分からない場合、「特定事項記載書類」の保存が必要になります。
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## なぜ新しい制度ができたのか
制度創設の背景には、関連会社間で恣意的な価格設定が行われるケースへの対応があります。
例えば、
* なぜこの金額なのか
* どのような業務を提供したのか
* 価格の算定根拠は何か
こうした情報が残されていないと、税務署は適正な課税判断ができません。
つまり、この制度は「新たな税負担」を目的としたものではなく、「取引内容を確認できるようにする」ことが目的です。
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## 税務調査ではどう対応されるのか
今回の制度で最も気になるのは、青色申告取消しとの関係でしょう。
法令上は、特定事項記載書類が適切に保存されていない場合、青色申告承認取消しの対象となります。
しかし、実務上はもう少し柔軟な運用が想定されています。
税務調査で書類が確認できなかった場合でも、
* 一定期間内での取得
* 作成
* 提示
を求められる運用になると考えられています。
また、違反が軽微であれば、取消しではなく指導にとどまるケースも想定されています。
つまり、
**「書類がない=即アウト」**
というわけではありません。
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## ただし「後から作ればいい」は危険
ここで誤解してはいけない点があります。
法令では、特定事項記載書類は
**確定申告期限までに取得または作成**
しておくことが求められています。
税務調査になってから慌てて作ればよい、という制度ではありません。
さらに、
* 確定申告期限を起算日として
* 7年間保存
する義務があります。
つまり、調査時に求められてから対応するのではなく、日頃から整理・保存しておくことが前提なのです。
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## 親会社が書類を保管している場合はどうなる?
グループ会社では、
「親会社がすべての契約書や資料を保管している」
というケースも少なくありません。
このような場合でも、
必要な情報を子会社が遅滞なく入手・提示できる体制が整っていれば、保存義務を満たすものとして取り扱われる方向です。
重要なのは、「誰が保管しているか」ではなく、「税務調査時に必要な情報を速やかに提示できるか」という点です。
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## 中小企業経営者が今から準備すべきこと
今回の改正は、大企業だけの話ではありません。
グループ会社を持つ中小企業や、オーナー企業でも対象になる可能性があります。
今のうちに次の点を確認しておきましょう。
* 関連会社との取引があるか確認する
* 契約書だけで取引内容が十分説明できるか見直す
* 対価の算定根拠を文書で残す
* 保存場所や管理方法を社内で統一する
* 親会社管理の場合は速やかに取得できる体制を整備する
税務調査では、「説明できること」が何より重要です。
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## まとめ|書類管理は経営管理そのもの
今回の改正を見ると、「書類保存義務が厳しくなった」と感じるかもしれません。
しかし本質は、税務署が企業を厳しく取り締まることではなく、「取引の透明性」を確保することにあります。
日頃から契約内容や価格決定の根拠を整理しておけば、税務調査でも慌てることはありません。
書類管理は単なる税務対策ではなく、会社のガバナンスを高める経営管理そのものです。
制度開始は令和8年4月以後に開始する事業年度からとなります。対象となる企業は、確定申告期限までに必要書類を整備できるよう、今のうちから準備を進めておくことをおすすめします。

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