クレメンティア
税理士事務所

令和8年の年末調整はさらに複雑化? “23歳未満扶養”の生命保険料控除特例に注意

国税庁が、令和8年分の年末調整関係書類の様式案を公表しました。
今回の改正で特に注目されているのが、
「23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例」
です。
これにより、年末調整で使用する「保険料控除申告書」の記載内容が大きく変わる予定です。
さらに、
・基礎控除の引上げ
・扶養親族等の所得要件変更
も加わり、令和8年の年末調整は、企業側の確認作業がこれまで以上に重要になりそうです。
今回は、中小企業経営者の視点から、「何が変わるのか」「会社は何を準備すべきか」を整理してみます。
■ 23歳未満の扶養親族がいると生命保険料控除が増える
今回創設されたのは、
“23歳未満の扶養親族を有する人”
を対象とした生命保険料控除の特例です。
通常、一般生命保険料控除は最大4万円ですが、この特例を使うと最大6万円まで控除額が増えます。
対象となるのは、令和8年中に支払った新生命保険料です。
つまり、
「子育て世帯への税負担軽減」
を意識した制度と言えます。
■ 年末調整書類がさらに複雑に
今回の改正に伴い、「給与所得者の保険料控除申告書」には、
・23歳未満扶養親族の有無
・扶養親族情報
・特例用計算欄
などが追加されます。
従来でも、
「どこに書けばいいか分からない」
「保険料控除証明書が不足している」
というケースが多かった書類ですが、さらに複雑になる可能性があります。
会社側としては、
・記載ミス
・扶養判定ミス
・控除額計算ミス
への対応負担が増えることが予想されます。
■ 基礎控除も引上げへ
今回の改正では、基礎控除の見直しも行われます。
所得要件によっては、基礎控除額が最大104万円となります。
また、
・扶養親族
・同一生計配偶者
の所得要件も引き上げられます。
そのため、従来は扶養対象外だったケースが、今後は扶養対象になる可能性もあります。
一見すると“減税”ですが、実務上は、
「判定項目が増える」
という側面もあります。
■ 中小企業で起こりやすい実務課題
年末調整は、制度改正のたびに現場負担が増えやすい分野です。
特に中小企業では、
・総務担当者が兼任
・紙ベース運用
・チェック体制不足
というケースも少なくありません。
今回の改正では、特に以下の点に注意が必要です。
① 扶養親族の年齢確認
「23歳未満」という判定が新たに重要になります。
② 控除証明書との整合確認
旧契約・新契約の区分確認も引き続き必要です。
③ 従業員への事前周知
毎年、年末調整時期に質問が集中します。
早めの案内が、会社側の負担軽減につながります。
■ 今後は“年末調整DX”が重要に
今回の改正を見ると、年末調整実務は今後さらに高度化していくことが予想されます。
一方で、国税庁は、
・e-Tax推進
・マイナポータル連携
・デジタル化
を急速に進めています。
今後は、
・クラウド給与ソフト
・Web入力
・電子回収
・AIチェック
などを活用した“年末調整DX”への対応力が、企業実務でも重要になっていきそうです。
■ まとめ
令和8年の年末調整では、
・生命保険料控除特例
・基礎控除引上げ
・扶養要件変更
などが重なり、実務がさらに複雑化します。
特に中小企業では、
「毎年の作業」
として処理するのではなく、
「制度改正対応」
として早めに準備を進めることが重要です。
年末に慌てないためにも、
・社内ルール整備
・従業員への周知
・システム対応確認
を今のうちから進めておくと安心です。
```


Instagram

インスタグラム

    Related

    関連記事