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税理士事務所

賃金台帳を“データ保存”している会社が見落としやすい3つのポイント

「給与はシステム管理だから問題ない」
そう思っている中小企業経営者の方は多いかもしれません。
しかし、労働基準監督署の調査では、賃金台帳の“保存方法”や“記載内容”が確認され、思わぬ是正指導につながるケースがあります。
特に最近は、紙ではなくデータ保存をしている企業が増えていますが、実は“保存しているだけ”では不十分です。
今回は、賃金台帳の基本と、デジタル保管時の注意点について整理します。
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## 賃金台帳とは?
賃金台帳とは、従業員に支払った給与の内容を記録する帳簿です。
労働基準法により、会社には作成・保存義務があります。
労働基準監督署の調査でも、ほぼ必ず確認される重要書類のひとつです。
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## 賃金台帳に必要な記載項目
法令上、以下の項目を記載する必要があります。
・氏名
・性別
・賃金計算期間
・労働日数
・労働時間数
・時間外・休日・深夜労働時間数
・基本給、各種手当など賃金の内訳
・賃金控除額(労使協定に基づくもの)
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## 特に“抜けやすい”2項目
実務上、記載漏れが多いのが次の2つです。
### ① 賃金計算期間
「何月分の給与なのか」が明確になっていないケースがあります。
例えば、
・4月1日〜4月30日
・締日ベース(3/16〜4/15)
など、計算対象期間が分かる必要があります。
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### ② 時間外・休日・深夜労働時間数
残業代を支払っていても、
「何時間分だったのか」
が記録されていないケースがあります。
これは労働時間管理そのものにも関わるため、監督署が特に確認するポイントです。
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## 「本社で一括管理」でも注意が必要
中小企業では、
・本社で給与計算をまとめて実施
・クラウド給与システムを本部管理
というケースも多いと思います。
しかし、法律上は、
【事業場ごとに賃金台帳を備え付ける義務】
があります。
つまり、
・大阪本社
・名古屋営業所
・福岡支店
がある場合、それぞれの事業場単位で管理できる状態が求められます。
「本社にしかデータがない」
「現場ですぐ見られない」
という状態では、是正指導の対象になることがあります。
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## データ保存はOK。でも条件があります
現在は、紙で印刷保存しなくても、システム上でデータ保存すること自体は認められています。
ただし、厚生労働省の通達では、次の2点が重要とされています。
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## ① 事業場ごとに“すぐ表示・印字できる”こと
単にクラウド保存しているだけでは不十分です。
必要なときに、
・画面表示できる
・印刷できる
状態になっている必要があります。
例えば、
「本社の担当者しか出力方法が分からない」
という状態はリスクがあります。
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## ② 労基署調査時に“直ちに提出できる”こと
監督署の調査では、
「賃金台帳を見せてください」
と言われた際に、速やかに提示できる必要があります。
つまり、
・検索できない
・データ抽出に時間がかかる
・CSV変換できない
・印刷できない
という状態は問題になる可能性があります。
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## 中小企業で増えている“システム任せ”の落とし穴
最近は、
・クラウド給与
・勤怠システム
・DX化
が進み、とても便利になりました。
一方で、
「システム導入=法令対応済み」
と思い込んでしまうケースも少なくありません。
しかし実際には、
・初期設定不足
・出力項目不足
・権限設定ミス
・事業場単位で管理できない
など、運用面で問題が起こることがあります。
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## 経営者が押さえたい視点
賃金台帳は、単なる“給与記録”ではありません。
・労務管理
・残業管理
・未払残業対策
・助成金申請
・労基署対応
など、多くの場面で会社を守る重要資料になります。
特に人材不足時代では、
「労務管理が整っている会社」
であること自体が、採用や定着にも影響していきます。
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## まとめ
賃金台帳のペーパーレス化は、業務効率化の面で非常に有効です。
ただし、
「保存している」
だけではなく、
・法定項目が揃っているか
・事業場単位で管理できるか
・すぐ表示・提出できるか
まで含めて整備することが重要です。
労基署調査は、“問題が起きてから”では対応が難しくなります。
だからこそ、普段から「見せられる状態」にしておくことが、結果的に会社を守ることにつながります。


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