クレメンティア
税理士事務所
障害のある大学生の子どもがアルバイトを始めたら?
「障害者控除」と「特定親族特別控除」の関係を経営者が知っておきたい理由
従業員のご家庭に、障害のある大学生のお子さんがいるケースは少なくありません。
近年は大学在学中にアルバイトをする学生も多く、「扶養」や「控除」の扱いが変わることがあります。
2025年(令和7年)からは新たに「特定親族特別控除」が創設され、税務の判断が少し複雑になりました。
今回は「障害者控除と特定親族特別控除は併用できるのか」という実務的なテーマを、中小企業経営者の視点から解説します。
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【1 扶養控除の前提は「所得58万円以下」】
まず税務の基本です。
所得税法でいう「扶養親族」とは、
・生計を一にしている親族
・合計所得金額58万円以下
という条件を満たす人をいいます。
給与収入だけの場合は、給与所得控除を差し引いて計算します。
例えば
給与収入130万円
-給与所得控除65万円
=所得65万円
となります。
つまり所得65万円の場合は、**扶養親族には該当しません。**
---
【2 扶養親族でないと「障害者控除」は使えない】
障害者控除には次の2つがあります。
①本人が障害者
②扶養親族が障害者
今回問題になるのは②です。
控除額は
・一般の障害者 27万円
・特別障害者 40万円
ですが、**前提条件は「扶養親族」であること**です。
つまり、
子どもの所得が58万円を超えた場合
→扶養親族から外れる
→親の障害者控除は使えない
という結果になります。
今回のケースでも
子どもの所得:65万円
なので
**障害者控除は適用できません。**
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【3 2025年から始まる「特定親族特別控除」】
ここで登場するのが、令和7年からの新制度
**特定親族特別控除**です。
これは
・19歳以上23歳未満
・所得58万円超123万円以下
の子どもがいる場合に使える控除です。
大学生のアルバイト増加を踏まえ、
「少し働いたら扶養が外れてしまう問題」
を緩和するために創設されました。
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【4 今回のケースでは控除63万円】
今回の条件を整理すると
子ども
・20歳
・所得65万円
・親と生計同一
この場合
**特定親族特別控除の対象になります。**
所得65万円の場合の控除額は
**63万円**
です。
つまり
障害者控除 → 使えない
特定親族特別控除 → 使える
という整理になります。
なお、この2つの制度は**併用できません。**
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【5 経営者として知っておきたいポイント】
このテーマは単なる税務知識ではありません。
中小企業では
・障害のあるお子さんを育てる家庭
・大学進学とアルバイトの両立
・扶養ラインの相談
といった話が、従業員から自然と出てくることがあります。
そのとき
「130万円だから全部ダメになる」
といった古い認識のままだと、正しいアドバイスができません。
2025年の税制改正により
**学生アルバイトと扶養の考え方は変わっています。**
経営者や人事担当者がこの制度を理解しておくことは、
従業員の安心感にもつながります。
---
【まとめ】
今回のポイントを整理すると
・所得58万円超 → 扶養親族ではない
・扶養でない → 障害者控除は使えない
・ただし19〜23歳なら
・所得123万円以下まで
・特定親族特別控除が使える
という関係になります。
税制は「家庭の実態」に合わせて少しずつ変わっています。
だからこそ、制度を知ることが従業員への理解にもつながります。
経営者として、税務は「節税の道具」だけでなく
**人を支える知識**として活用していきたいものですね。
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