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大学生の子が「稼ぎすぎる」と損?特定親族特別控除とひとり親控除
「大学生の子どもがアルバイトを頑張ってくれるのはありがたい」
そう思う一方で、実は“稼ぎすぎると親の税金が増えてしまう”ケースがあることをご存じでしょうか。
2025年度の税制改正で「特定親族特別控除」という新しい制度ができました。
一見すると「大学生の子がたくさん働いても大丈夫になる制度」のように見えます。
しかし、シングルマザー(シングルペアレント)の場合は注意が必要です。
条件によっては**ひとり親控除が受けられなくなる可能性**があります。
今回は、大学生の子どもを育てるシングルマザーが知っておきたい税金のポイントを、税理士の視点からわかりやすく解説します。
―――――――――――――――――――
■ひとり親控除とは?まずは基本を確認
ひとり親控除とは、シングルペアレントの税負担を軽減するための所得控除です。
要件を満たすと次の控除が受けられます。
・所得税:35万円
・住民税:30万円
この金額を所得から差し引いて税金を計算するため、実際の税負担は軽くなります。
2025年分の所得税(住民税は2026年度分)から適用される主な要件は次のとおりです。
①本人の所得が500万円以下
②法律婚・事実婚の配偶者がいない
③生計を一にする子がいる
④その子の所得が58万円以下
(給与収入なら年収123万円以下)
ここで重要なのが
**「子の年収123万円以下」**という条件です。
このラインを超えると、ひとり親控除は受けられません。
―――――――――――――――――――
■新しくできた「特定親族特別控除」とは
2025年度税制改正では、新たに
**特定親族特別控除**
という制度が創設されました。
対象となるのは
**19歳以上23歳未満の親族(主に大学生)**
です。
これまで大学生の子どもは
・年収103万円を超えると
・親の扶養控除(63万円)が使えない
という問題がありました。
しかし新制度では
子の給与年収
**123万円超〜188万円以下**
でも控除が段階的に受けられるようになりました。
さらに
**年収150万円以下なら63万円控除**
と、従来と同じ控除が受けられます。
つまり
「大学生がもっと働けるようにする制度」
というわけです。
―――――――――――――――――――
■大学生の子が稼ぎすぎると親が損をする理由
ここでシングルマザーが注意したいポイントがあります。
それは
**ひとり親控除の所得条件です。**
ひとり親控除は
子の所得
**58万円以下(給与123万円以下)**
が条件です。
しかし特定親族特別控除は
**子の所得58万円超から適用されます。**
つまり
子の年収が
・123万円以下
→ ひとり親控除OK
・123万円超
→ ひとり親控除NG
ということになります。
結果として
大学生の子が
「もっと働いて親を助けたい」
と思って年収を増やした結果、
・ひとり親控除が消える
・税金が増える
というケースが起こり得ます。
制度の仕組み上、ここが大きな注意点です。
―――――――――――――――――――
■おい・めい・孫を育てている人も注意
もう一つ見落とされがちなのが
**おい・めい・孫を育てているケース**
です。
離婚した女性が子以外の親族を扶養している場合、
**寡婦控除**
を受けられる可能性があります。
控除額は
・所得税:27万円
・住民税:26万円
です。
しかし、
特定親族特別控除を使う状況になると
・寡婦控除
・障害者控除
などが受けられなくなるケースがあります。
この点も注意が必要です。
―――――――――――――――――――
■住民税の課税にも注意
大学生の子どもが多く働く場合、もう一つ気をつけたいのが
**住民税です。**
子ども本人が
**勤労学生控除**
を申告していないと、
翌年6月から住民税がかかる可能性があります。
アルバイト先での年末調整や確定申告で、忘れずに手続きすることが大切です。
―――――――――――――――――――
■まとめ:大学生の子がいるシングル家庭の税金の考え方
2025年度税制改正で導入された特定親族特別控除は、
「大学生が働きやすくする」
という意味では大きなメリットがあります。
しかし、シングルマザーの場合は
・ひとり親控除
・寡婦控除
・その他の控除
との関係で、思わぬ税負担が生じる可能性があります。
もし
「63万円の扶養控除」と
「ひとり親控除」
の両方を確実に受けたいのであれば、
**子の年収を123万円以内に抑える**
というのが一つの安全ラインになります。
税制は「一つの制度だけ」では判断できません。
家族の状況によって有利不利が変わるため、全体を見て判断することが大切です。
大学生のお子さんがいるご家庭では、ぜひ一度「年収のライン」を親子で話し合ってみてください。
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