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税理士事務所

ミャンマー人従業員の扶養控除適用に必要な手続きとは?

外国人雇用が進む中小企業にとって、「国外に住む親族」を扶養控除の対象とできるかどうかは実務上、見落とされがちですが、税務対応としては非常に重要なポイントです。今回は、ミャンマー国籍の従業員を例に取りながら、扶養控除を受けるための具体的な要件と書類について、税理士の視点から解説します。
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## 外国人従業員が増える中、経営者が知っておくべき税務知識
人材不足の中で、海外からの人材確保は多くの企業で現実的な選択肢となっています。訪問看護などの分野では特に、ミャンマーなど東南アジア諸国からの人材に頼るケースが増えています。
今回のケースでは、ミャンマー国籍の看護師を1年以上雇用予定の企業が、彼女の母国に住む親族(35歳)を扶養控除の対象にできるかを確認したいという相談です。
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## 「扶養控除」適用のための要件とは
所得税法上、「控除対象扶養親族」に該当するには、以下の要件が必要です:
1. 納税者と生計を一にしている
2. 合計所得金額が58万円以下(給与のみなら収入123万円以下)
3. 年齢要件を満たしている(非居住者の場合は16歳以上30歳未満、または70歳以上など特例あり)
今回のミャンマー人看護師のように、親族が「国外居住親族」の場合は、さらに厳格な要件が課されます。
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## 手続きで必要となる書類
扶養控除の適用を受けるには、勤務先に以下の書類を提出・提示する必要があります。
1. **親族関係書類**
 ミャンマー政府または地方公共団体が発行した、氏名・生年月日・住所等が記載された書類(翻訳付き)。例えばフィリピンでは「バランガイ証明書」が使われますが、ミャンマーの場合は住民登録証明書などが該当します。
2. **38万円送金書類**
 生活費や教育費として、当該親族に38万円以上送金したことが分かる書類(銀行の送金明細など)
これらの確認書類を、
- 年初の「扶養控除等申告書」提出時
- 年末調整時
の2タイミングで会社に提示する必要があります。
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## 中小企業が注意すべきポイント
- 「38万円の送金」が実際に行われていなければ適用されません
- 書類が揃っていなければ、税務署から否認されるリスクがあります
- ミャンマーなど一部の国では公的書類の取得に時間がかかるため、早めの対応が必要です
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## 税理士の視点:制度を知って、適正に活用を
扶養控除は従業員の手取りを左右する重要な制度であり、外国人雇用が進む今後の中小企業経営においても、制度理解と適切な対応が不可欠です。特に国外居住親族の取り扱いは制度も実務も複雑なため、早い段階で顧問税理士などの専門家に相談しながら対応を進めることをお勧めします。
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今後も外国人雇用が進む企業が増える中で、「税務面の整備」も同時に求められます。現場に即した対応を通じて、従業員との信頼関係構築にもつなげていきましょう。

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