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税理士事務所

「損益計算書」の見方とは?経営者が注目すべき指標を紹介

企業の財務状況を正確に把握し、適切な経営判断を下すためには、「損益計算書(PL)」の理解が欠かせません。特に中小企業や個人事業主にとって、売上や利益の流れを把握することは、経営の健全性を維持する上で極めて重要です。本記事では、損益計算書の基本的な構造から、経営者が注目すべき指標、そして士業としての視点からのアドバイスまでをわかりやすく解説します。
損益計算書の基本構造と役割
損益計算書(Profit and Loss Statement)は、一定期間における企業の収益と費用をまとめ、その結果としての利益や損失を示す財務諸表の一つです。通常、売上高から始まり、売上原価、販売費および一般管理費、営業外損益、特別損益、税金等を経て、最終的な当期純利益に至る構成になっています。この書類を読むことで、企業が「どれだけ稼いで、どれだけ使い、最終的にいくら残ったのか」が明確になります。

売上総利益と営業利益に注目する
経営者が損益計算書を見る際に特に注目すべきなのが「売上総利益(粗利益)」と「営業利益」です。売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いたもので、商品やサービスの「儲け力」を示します。一方、営業利益は、売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いたもので、事業全体の収益性を反映します。これらの指標を定期的に確認することで、コスト構造の見直しや価格設定の妥当性を評価することができます。

経常利益と当期純利益の違いを理解する
損益計算書には「経常利益」や「当期純利益」といった指標も含まれています。経常利益は本業以外の収益や費用(たとえば受取利息や支払利息など)も含めた利益であり、企業の安定的な収益力を測る指標とされています。これに対し、当期純利益はすべての収益と費用を差し引いた「最終的な儲け」です。税金や特別損失・利益の影響を受けるため、単年だけでなく複数年の推移を見ることが重要です。

士業の視点:損益計算書から経営課題を読み解く
行政書士や社会保険労務士といった士業にとっても、損益計算書は顧客企業の経営課題を把握する上で欠かせない資料です。たとえば、利益が出ているにもかかわらず資金繰りが悪化している場合、原価率や販管費のバランスに問題がある可能性があります。また、助成金申請や融資支援を行う際にも、損益計算書の分析が前提となります。定期的なレビューを通じて、専門家とともに財務改善に取り組むことが、持続可能な経営に繋がります。

損益計算書を活用した経営判断のすすめ
損益計算書は単なる数字の羅列ではなく、企業活動の「成績表」とも言える存在です。しかし、数字の背景にある実態を読み解くには、一定の知識と経験が必要です。特に中小企業経営者にとっては、毎月の損益を確認する習慣を持つことが、赤字リスクを回避し、持続的な成長を実現する鍵となります。不明点や不安がある場合は、税理士や社労士といった専門家の支援を受けながら、財務諸表の見方を学ぶことをおすすめします。

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