クレメンティア
税理士事務所

経営者が直面する“見えない脅威”──国勢調査を装うフィッシング詐欺とウイルス感染の最新動向

経営者の皆さん、従業員や取引先を巻き込む「見えない脅威」に備えていますか?
いま企業を狙うサイバーリスクは巧妙化し、日々の判断力が問われる時代になっています。今回は、最新のフィッシング詐欺やウイルス情報を踏まえ、企業防衛のポイントを整理します。
---
## 「国勢調査」を名乗る詐欺が発生中──社員の私的ミスが企業リスクに
2025年9月、総務省と消費者庁が警鐘を鳴らしたのが、**「国勢調査を装った詐欺」**です。調査を装って個人情報(預金、カード、マイナンバー等)を詐取するメール・偽サイトが出回っており、企業の情報セキュリティとは一見無関係に思えるかもしれません。
しかし、**社員が自宅PCやスマホで被害に遭い、業務用アカウントへ侵入される**といった事例は過去にも起きています。

### 経営者としてできる対策
- 社内研修で「公的機関を装った詐欺」への注意喚起
- 業務端末だけでなく、**私用スマホにもセキュリティソフトの導入を推奨**
- 回答や入力は「メールのリンクを使わず、公式サイトから」が鉄則
---
## 詐欺に悪用された企業名──「うちは関係ない」では済まされない時代
2025年7月~9月にフィッシング詐欺で名前が悪用されたブランドには、次のような企業が挙がっています。
- アコム、SMBC日興証券、GMOあおぞらネット銀行、Kyash、国勢調査(総務省)
また、常時多く報告されているのは
- **SBI証券、Amazon、Apple、ANA**など、BtoB・BtoC問わず多岐にわたります。
従業員が「本物らしさ」に騙され、偽サイトにIDやパスワードを入力すれば、**業務用クラウドや銀行口座に被害が波及**しかねません。
---
## フィッシング詐欺への備え:経営判断で守れるもの
企業経営者として、以下の「基本行動の徹底」が最も重要です。
- メール・SMS内リンクから**ID・PWを入力することを禁止**
- 重要サービスは**ブックマークや公式アプリからのみログイン**
- セキュリティソフトの導入、アップデートの徹底
**社内ルール化と定期的な社内アナウンス**が、意識と習慣を変えます。
---
## 感染すると止まらない…ウイルスの最新傾向(2025年9月)
### Windows向け:GT:JS.Adware.Acsogenixx.1749
- Web閲覧中に勝手にポップアップ広告が表示
- 別の不正サイトに飛ばされるリスク
### Android向け:Android.Riskware.HiddenAds.AIX
- インストール後にアプリが隠れて削除できない
- 全画面広告が頻繁に表示され、業務効率が低下
### 対策のポイント
- 業務用・私用端末を問わず、**信頼できるセキュリティ対策の導入**
- **アプリは公式ストア以外から入れない**
- インストール時の**権限要求に敏感になる**
---
## まとめ:経営者の意識が組織の「防御力」を決める
企業を脅かすサイバーリスクの多くは、「日常の気の緩み」から始まります。
一人のミスが、情報漏洩や取引停止など、**会社全体の信用失墜につながる**時代です。
経営者が率先して「ルールを作り、実行し、定期的に見直す」。
この当たり前の継続が、未来の安心を守ります。
> 🔒参考リンク:「キ・ケ・ンの取説」セキュリティ関連記事まとめ
> https://www.sourcenext.com/product/security/blog/list/?i=mail_sup_news&utm_source=sn&utm_medium=email
---
【この記事は、小林匠(税理士/キャッシュフローコーチ)が、経営視点からサイバーリスク対策を解説しました】


Instagram

インスタグラム

    Related

    関連記事